Sixx: A.M. - Prayers for the Damned (Vol. 1)

プレイヤー・フォー・ザ・ダムドVol.1Prayers for the Damned (Vol. 1)
Sixx: A.M.

曲名リスト
1. Rise
2. You Have Come to the Right Place
3. I'm Sick
4. Prayers for the Damned
5. Better Man
6. Can't Stop
7. When We Were Gods
8. Belly of the Beast
9. Everything Went to Hell
10. The Last Time (My Heart Will Hit the Ground)
11. Rise of the Melancholy Empire

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Nikki Sixx、James Michael、DJ Ashbaによるバンドの4th。
今作よりBLEEKER RIDGEのDustin Steinkeを正式ドラマーとして
バンドに迎えている。


前作や前々作の際にも書いたけど、1994年にピークを迎えて以降
右肩下がりだったNikki Sixxの作曲能力を見事に復活させた
James Michaelはマジで、マジで有能。

21世紀のThe Best of 有能大賞を個人的に授与したいぐらいです。


路線は1stから変わらず安定のアメリカン歌ものモダンハードロック。
それにしてもコンスタントにアルバムを出し続けていながら、
ここまで高いクオリティを保ち続けているのは本当にすごい。

ドラマティックかつキャッチーなメロディライン、
Jamesの歌唱力の高さ、DJ Ashbaの素晴らしいギターワークが
今回も十分に堪能できます。


特に先行公開されたシングルRiseからYou Have Come to the Right Place、
I'm Sickへとつながる冒頭3曲の破壊力はヤバい。

他の収録曲もすべてシングルカットできるレベルのフックが満載。



すでにMÖTLEY CRÜEの終焉が決まっていたことで
フレッシュな気持ちでこちらに臨めたであろうNikki、
リユニオンGUNS N' ROSESに参加する選択肢も提示されておきながら
脱退してSIXX: A.M.に専念することを選んだDJ Ashbaがそれぞれ
伸び伸びと制作に携われたことが伝わってくる充実ぶり。

1st〜3rd同様、文句無しの傑作です。
本作の後編となるVol. 2も2016年中のリリースが予定されていて、
そちらも期待できそう。



2015年2月にVampPark Festへ参加した際の武道館ライヴを
当日観に行きましたが、(わずか6曲ながら)クールなパフォーマンスでした。

今年のLoud Parkへの参戦も決まっており、とても楽しみです。









Steven Wilson - 4 ½

4 1/2 【ボーナス・トラック付国内盤】4 ½
Steven Wilson

1. My Book of Regrets
2. Year of the Plague
3. Happiness III
4. Sunday Rain Sets In
5. Vermillioncore
6. Don't Hate Me
7. Lazarus (2015 Recording)

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昨年にソロ作4th「HAND. CANNOT. ERASE.」を発表した
Steven Wilsonの新EP。

収録されているうちの4曲が、その「HAND. CANNOT. ERASE.」を
レコーディングしている際のスタジオセッションから、
また1曲が3rd「THE RAVEN THAT REFUSED TO SING」時の
同じくスタジオセッションから生まれた曲となっている。


1曲目My Book of Regretsは久しぶりに
PORCUPINE TREE色が色濃いナンバー。

「STUPID DREAM」〜「IN ABSENTIA」期を彷彿とさせる、
キャッチーさとダイナミクスに溢れたプログレッシヴロックだ。
これは喜ぶ人が多いと思う。


2曲目Year of the Plagueと4曲目Sunday Rain Sets Inは
いずれもメランコリーかつアンビエントな美しいインスト。

3曲目のHappiness IIIは非常に明るくストレートなポップロックで、
この人にしては珍しいタイプの曲調。
Elton JohnのFuneral for a Friend (Love Lies Bleeding)っぽさが若干ある。

5曲目のVermillioncoreはこれまたインストだが、
「THE RAVEN〜」時の音であることが一聴してすぐわかる、
ヘヴィなダークチェンバープログレ。


6曲目のDon't Hate Meは
PORCUPINE TREE「STUPID DREAM」収録曲のセルフリメイク。

サウンドとしてはそれほど目立った変化はなく、
「STUPID〜」時のTheo Travisのフルートが
今回Adam Holzmanのキーボードに置き換わっているぐらいか。
(サックスは今回もTheo Travisが吹いている)


ただ今回はVoがSteven WilsonとNinet Tayebのデュエットとなっている。

Ninet Tayebは「HAND.〜」にも参加した
イスラエル人ポップ/ロック歌手(兼女優)で、
現在行われているツアーにも同行しているなど最近のStevenのお気に入り。

この人、母国ではかなり有名な人で、Cyndi Lauperや
THE DEAD DAISIES(GUNS N' ROSESのDizzyやRichard Fortusのバンド)が
イスラエルでツアーをした際にはステージで共演もしている。




先日はSteven Wilsonと一緒にDavid BowieのSpace Oddityを歌う映像が
話題になっていた。




「HAND.〜」のデラックスエディション盤では
NinetのVoオンリーのRoutineが収録されていたほどだし、
次回のアルバムでもおそらくフィーチャーされるでしょう。

非常に魅力的な声質をしているので、
BLACKFIELDやNO-MANのようにStevenとの別プロジェクトに発展すれば
おもしろいな、と思ったり。



なお日本盤にはボーナストラックとしてLazarus (2015 Recording)が
収録されている(PORCUPINE TREE曲のリメイク)。

これは昨年の企画盤「TRANSIENCE」に収録されていた既発verで、
ライヴレコーディングにスタジオでオーバーダビングを施したもの。

PORCUPINE TREEバージョンと比べそれほどアレンジは加わっていないが、
上記の録音経緯もあり、若干シンプルになった印象。



ということで、特に統一性があるわけでもなく
まさに「次作までの箸休め」といった感じのEPではあるけども
ファンは迷わず買いでしょう。

「HAND.〜」や「THE RAVEN〜」にはちょっと合わないので外した曲を
集めました的な趣きなので、次作の方向性を示しているわけではなさそうですね。


<Apple Music>



<iTunes>



独産ハイブリッドプログレ

FetishFetish
Seven Steps to the Green Door

曲名リスト
1. Possible Delayed
2. PORN!
3. Still Searching
4. Inferior
5. Imprisoned
6. Bound in Chains
7. Last Lullaby
8. Set in Motion
9. Ordinary Maniac

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2015年の年間ベストで8位に挙げたSEVEN STEPS TO THE GREEN DOORの
『FETISH』ですが、改めて聴き直したところとんでもない名盤だったので
この場を借りて3位に繰り上げます。

このアルバムはいろんな人におすすめしたい。

プログレメタル、シンフォプログレ、アヴァンギャルド、ハードロック、
ジャズロック、オルタナ等々あらゆるジャンルのファンにアピールし得る魅力がある。



SEVEN STEPS TO THE GREEN DOORは
2004年にドイツで結成されたバンド。

創始者はキーボード兼サックス奏者のMarek Arnold、
ドラムのUlf Reinhardt、ベースのHeiko Rehm。
MarekはプログレメタルバンドTOXIC SMILEで活動していることで
名が知られている人物だ。

2006年に『THE PUZZLE』でデビュー、
複数Voを擁したクロスオーヴァーサウンドで話題になり、
いきなり自国のアウォードで賞をかっさらう。

その後1stの延長線上にある2nd『STEP IN 2 MY WORLD』を2008年に、
コンセプトアルバムとなる3rd『THE?BOOK』を2011年に発表。

若干のメンバーチェンジを経て2015年に発表された4枚目のアルバムが
今回の『FETISH』である。



と、簡単なBioをクソ真面目に書きましたが
このバンド、そして『FETISH』はマジですんばらしいです。

過去作3枚をすべて聴いて、それらも非常に良い出来なんですが
今回の4thで曲の完成度・サウンドプロダクション・洗練度合いいずれも
明らかに格が二段階・三段階上がっている。


Marekのサックスを核としたジャズ/アヴァンギャルド的フレーズ、
A.C.T.あたりを想起させる変拍子ひねくれプログレハードメロディ、
プログレメタルというより北欧プログレのダークさに近い暗鬱進行、
メインVoのLars KöhlerとAnne Trautmannに8人のゲストを加えた
男女混合Voによるポリフォニックかつポリリズミックな
重厚でキャッチーなヴォーカルラインとコーラス。

おいしい要素の数々が嫌味なく取り込まれた
聴き応え満載の作品でございます。


MVも作られたジャズシンフォ曲PORN!、

多重コーラス+ダークメロトロン+ポップ+メタル情感ギターソロと
ジェットコースターのように展開するStill Searching、

ヘヴィリフとメロトロンでTHIEVES' KITCHEN的に重く攻めるInferior、

Melanie Mauのアコースティック情感Voを導入に、
そこからメタルリフへ流れチェンバーシンフォパートを挟み
5拍子+4拍子+6拍子の変態進行を経て感動的ギターをバックに
PURE REASON REVOLUTION的Voラインへ雪崩れ込み
『RUST IN PEACE』期MEGADETHを思わせるリフとギターソロを聞かせ
混声アカペラで締めるという万華鏡的大曲Ordinary Maniac。

捨て曲無しの傑作。



このアルバム、今回からメンバーとして参加しているギタリスト
Martin Schnellaの功績が非常に大きいと思う。

技巧レベルがめちゃくちゃ高いのもそうだし、
この人の別プロジェクトやソロ音源をいろいろ聴いていると
サウンドプロデュース・ミキシングの面でも
ハイクオリティな腕前を有していることが分かる。

おそらく曲作りやアレンジ面でも相当貢献度が高いんだろうなー。
というのは、この『FETISH』にゲスト参加しているMelanie Mauと組んで
発表しているアコースティックカヴァー盤『Gray Matters』を聴いて思った。
(後日改めて取り上げます)



とりあえず本作が一番ですが、
コンセプト作の3rdや、プログレにラップを上手く取り込んだ2ndも
相当良いので気に入った方はぜひ。










5つの原子の季節

Springtime in NagasakiSpringtime in Nagasaki
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Navel of Light
2. Persistence of Memory

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Summer in NagasakiSummer in Nagasaki
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Climbing Mount Inasa
2. In the Cherry Blossom Hills
3. Mystery of Life and Death
4. Dreaming in a Kyoto Train
5. Ayumi's Butterflies
6. Presentiment
7. 11:02 AM

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Autumn in HiroshimaAutumn in Hiroshima
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Trauma
2. Reset
3. Awareness (1st Teaching)
4. Novice (2nd Teaching)
5. Strange Voices
6. Fathom (3rd Teaching)
7. Oracular World (4th Teaching)
8. Remembering Ayumi
9. Mellow Submersion (5th Teaching)
10. Answers (6th Teaching)
11. Touching Truth
12. Insight (7th Teaching)
13. Omniscience (8th Teaching)
14. Nothing and All

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Winter in HiroshimaWinter in Hiroshima
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Transition
2. Ayumi's Loom
3. Outlook
4. Togetherness
5. Echo of Light
6. Key Moment
7. Insiders
8. Nexuses
9. Glowing Vision

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Endless SeasonThe Endless Season
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Flashback
2. Devotion
3. Virtue of Hope
4. Escape
5. The Seven Barriers
6. Logic of Intuition
7. Shunyata
8. Restless Mind
9. Wild Ocean of Blue Fate
10. Breaching Sky
11. Morphing

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TANGERINE DREAMの全作品をコンプリートするのは至難の業だ。


なにしろスタジオ盤だけで90枚以上、
コンピレーションやサウンドトラックやEP等も含めると
作品総数は250枚以上にも及ぶ。


フランク・ザッパやMERZBOWに匹敵するとんでもない量である。
まさにコレクター泣かせ。



そんな超精力的グループだが、やはり有名なのは70年台の作品群、
特にデビュー作の『ELECTRONIC MEDITATION』や
いわゆる「Virginイヤーズ」と呼ばれる時期における
『PHAEDRA』 『RUBYCON』 『RICOCHET』
『STRATOSFEAR』 『TANGRAM』あたりだろう。


これらの作品でテクノ/アンビエント/エレクトロニカの
始祖としての地位を確立したTANGERINE DREAMだが、

一方80年台以降のアルバムについては、
いかんせんリリース数が多すぎる&入手方法がよくわからない、

かつ音楽的にもオールドファンからは
「大味すぎる」 「混沌さが無くなった」 「単なるBGM」と
あまり評価が芳しくない。



だがしかし、初期への思い入れがそれほど強くないおれは言いたい。

80's、90's、00's、10'sのTANGERINE DREAMにも
聴き応えのあるアルバムはいっぱいある、と。



その中で今回取り上げるのが、
2007年から2010年にて5枚に渡る連作として発表された
"The Five Atomic Seasons"シリーズ。


『KYOTO』や『IZU』といったタイトルのアルバムを発表したり
自らのレーベル名を「Eastgate」と名付けるなど
TANGERINE DREAM(というかエドガー・フローゼ)は
日本に対する思い入れが強い。



同じく日本をテーマとしたこの連作。

"The Five Atomic Seasons"というシリーズ名、
そして舞台が長崎・広島であることから、
そのコンセプトは明らかだ。



これは実在の原爆被害者をモデルにした1945年の悲劇である。



ストレートなアルバムタイトルが表す通り、
「長崎・春」 「長崎・夏」 「広島・秋」 「広島・冬」と
四季を順番に描き、そして最後は「終わりなき季節」。



シーケンサーのリズムをバックにゆったりとシンセメロディが流れる
インストゥルメンタル、という点は5作品に共通している。

が、単に心象風景を映し出しただけのBGMには留まらない、
確固とした物語がここにある。



1作目の『SPRINGTIME IN NAGASAKI』からしていきなり濃厚だ。


基本的には悲劇が訪れる前の平和な春が強調され、
終盤はヴィヴァルディの「春」を交えつつ爽やかな曲調となるのだが、
一方で曲タイトルは「爆心地」と「記憶の残像」。

中盤の展開と相まって、不吉な予感をもはらんでいる。



2作目の『SUMMER IN NAGASAKI』。

"運命の日"を描いたアルバムなだけに、
緊張感・クオリティともに圧巻の名盤だ。


恋人アユミとの思い出、いつもと変わらぬ夏、
待ち受ける悲劇、そして1945年8月9日午前11時2分。


特に、"その時"をテーマとした
ラストの"11:02 AM"は凄まじい。

淡々と、かつ静かな緊張感をもって進行するシーケンス。


そして原爆投下の瞬間、
最後の時が止まるような演出には本当に鳥肌が立つ。



季節は秋へ。そして舞台は広島へ。



3作目『AUTUMN IN HIROSHIMA』はシリーズ中最も重い。


絶望と空虚にまみれた"Trauma"、レクイエムの"Awareness"、
悟りの"Omniscience"。


この世の地獄を生き延び、新たな人生への一歩が描かれる
このアルバムは、非常にヘヴィで、美しく、力強い。



『WINTER IN HIROSHIMA』 『THE ENDLESS SEASON』は
音楽的に少し趣が変わってくるが、
季節の総括・物語の総括的な役割を果たすこれまた良作であり、
特に『THE ENDLESS SEASON』でフィーチャーされた
ギターメロディは白眉。



日本をテーマとした外国音楽作品は数あれど、
「いかにも和」な安っぽいメロディを一切使うこと無く
日本を表現しきっているところに、
エドガー・フローゼのさすがの力量を感じる。



テーマがテーマなだけに5作通して聴いてほしいと思うが、
少なくとも最初の3枚「春」「夏」「秋」は
一聴するに値する名盤だと自信をもっておすすめしたい。


Welcome to My FUCKING Life

SixxAM7.jpeg

7
SIXX: A.M.

曲名リスト
1. Lies of the Beautiful People (Acoustic)
2. This Is Gonna Hurt (Acoustic)
3. Life Is Beautiful (Acoustic)
4. Help Is on the Way (Acoustic)
5. Sure Feels Right (Acoustic)
6. Pray for Me (Acoustic)
7. Accidents Can Happen (Acoustic)



SIXX: A.M.は素晴らしい。
サイドプロジェクトだからと言ってなめちゃいけない。


そもそもの結成のきっかけが
「ニッキー・シックスの自伝内容に合わせたアルバムを作る」だった上に
ニッキーはMÖTLEY CRÜEを、DJアシュバはGUNS N' ROSESを
それぞれ優先させると公言してるし、
ジェイムズ・マイケルもプロデューサーとしての本業があるので
完全にマイペース課外活動バンドになってるが、

それがもったいないと感じられるほど
1st『THE HEROIN DIARIES SOUNDTRACK』、
2nd『THIS IS GONNA HURT』ともにクオリティの高い傑作であった。



特に2ndの充実感はすさまじく、
間違い無く現代アメリカンハードロックにおける名盤だ。



だがアルバムとしての評価もさることながら、
「名作曲家ニッキー・シックスの復活」、そして
「THE 内助の功、ジェイムズ・マイケル(とDJアシュバ)の発見」に
このプロジェクト最大の意義があることを見逃してはならない。



おれはMÖTLEY CRÜEマニアだが、
正直MÖTLEYにおける「作曲家ニッキー・シックス」の頂点は
1994年の『MOTLEY CRUE』だったと思っている(いた)。


ジョン・コラビ在籍時の黒歴史として迷盤扱いされる『MOTLEY CRUE』。

だが後の『GENERATION SWINE』や『NEW TATTOO』より
遥かに曲の出来はいいし、名盤とされる『DR. FEELGOOD』すら
正直上回っている…という話は昔書いた


これはニッキー自身の作曲能力の枯渇、という問題だけでは無く、
(病魔に侵されおそらく作曲どころではなかった)ミック・マーズの不調、
にも原因があると思う。



ニッキー・シックスが稀代のソングライターたるためには、
パートナーとなる人物が常に鍵を握っている。



MÖTLEY CRÜEにおいてミック・マーズという男は、
単にギタリストという役割だけではなく
"バンドの頭脳"ニッキーに指針を与える存在として非常に重要なのである。


ヴィンス・ニールやトミー・リーがMÖTLEY CRÜEを抜けると言っても
ニッキーは最終的には了承するだろうが(実際に解雇/脱退したし)、
ミックの離脱だけは何があっても絶対に阻止するだろう。


それだけ重要な存在であるパートナーの不調が、
『GENERATION SWINE』や『NEW TATTOO』がパッとしなかった
原因をもたらしたのではないかと思うのだ。
(個人的にはどっちも嫌いじゃないけど)



ニッキーが2002年に結成したBRIDES OF DESTRUCTIONにおいては、
パートナーとなったのはトレイシー・ガンズであった。


ニッキー在籍時に唯一残したアルバム『HERE COME THE BRIDES』は、
悪くはないがちょっと淡白な感も否めない内容で、
これはトレイシーの出自がメタルというよりパンクスだったという点が
響いている、とおれは思う。



すなわちニッキーの作曲センスを最大限に活かすには
「誰が相棒か」が極めて重要なポイントであり、
その役割を完璧にこなしているのが、
まさしくジェイムズ・マイケルとDJアシュバなのだ。



事実、2007年にSIXX: A.M.の1stを発表した後、
手応えを感じたニッキーはMÖTLEY CRÜEの再結成アルバム制作にあたり
作曲陣としてこの二人を参加させており、結果、
完成した『SAINTS OF LOS ANGELS』はMÖTLEY起死回生の良作となった。
(ジェイムズとDJは全曲にクレジット!)


※実は2000年の『NEW TATTOO』においてすでに
 ジェイムズの名前が11曲中6曲でクレジットされてたりする。
 …が、その時点ではまだ手探り感が強くそれほど充実感は無い。



そして当初は単発プロジェクトに終わるかと思われた
SIXX: A.M.も活動を継続、2011年に2ndを発表した後、
同年にこのミニ・アコースティックアルバム『7』を制作した。



ニッキーの"素晴らしき女房"の一人ジェイムズ・マイケルだが、
SIXX: A.M.最大の魅力はこの人にあるといっても過言ではないほどで、

超イケメンな上に歌もめちゃくちゃ上手く声もカッコいい、という
(なんであんたプロデューサー業とかやってんだよ!)と
思わずツッコみたくなるぐらいの才能の持ち主。


アメリカン・ハードロックのカッコよさを一手に引き受けたような男だ。


で、この『7』だが、まさにジェイムズの素晴らしさを堪能するために
作られたような最高の出来。


1stからの3曲+2ndからの4曲をアコースティックverで
セルフカヴァーした内容の本作だが、
そもそもの曲自体がキャッチーでコンパクトであることに加え
「歌モノとしてのクオリティ」を意識して作られていることもあり、
それがVoを最大限に活かすかたちでアレンジされているのだから
駄作になるはずがない。


とても「つなぎの1枚」とは思えないカタルシスを与えてくれるし、
曲の良さを改めて痛感する作品だ。


1曲だけ音源を貼っておくので、これを聴いて気に入った人は
1stや2ndと併せてゲットしても絶対に損はないはず。





なおこのアルバム、おれはiTunesで買ったんだが、
他の購入ルートがあるのかどうかは不明。


Amazonで検索しても出てこないとこをみると、
ダウンロード販売のみの形態かもしれない。



ともかく現在鋭意制作中と伝えられる3rdが非常に楽しみだ。



そしてMÖTLEY CRÜEの次作については…

たぶんニッキーは再びジェイムズ&DJを作曲陣として招聘するだろうが、
なにより"ギタートーンの求道者"ミック・マーズがパートナーとして
往年の輝きを取り戻すことができるかどうか、にかかっている。



Sixx & Marsの名ソングライターコンビ復活に期待したい。