“コーマス”って響きがなんかやらしいよね

B0002VKPUMFirst Utterance
Comus

Album Tracks
1. Diana
2. Herald
3. Drip Drip
4. Song to Comus
5. The Bite
6. Bitten
7. The Prisoner

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まさか最初に紹介するプログレがCOMUSになろうとは…。
おれも相当病んでますな。



さて、そのCOMUS。プログレ内のサブジャンルで言えば
「フォーク系」に分類されるバンドです。

(“コーマス”とはギリシャ神話に出てくる飲酒宴楽を司る神)



「なんだ、ロックじゃねぇのかよ」となめてはいけません。

確かに音的には全くヘヴィじゃない。

しかしながら、“フォーク”という言葉から連想される
ほんわかした雰囲気とは全く無縁の世界が、
ここでは展開されていきます。



とりあえずメンバーを列挙してみましょう。

ロジャー・ウートン(Lead Vocals, Acoustic Guitars)
ボビー・ワトソン(Vocals, Percussion)
グレン・ゴーリング(Guitars, Vocals, Percussion)
アンディ・ヘラビィ(Bass, Vocals)
コリン・ピアーソン(Violin, Viola)
ロブ・ヤング(Flute, Oboe, Percussion)



はい、もう編成からして危険な香りがしますね。

パーカッションが3人。



SLIPKNOTかよ!




さらにこの人たち、音楽のみならず“総合的芸術活動”をする
輩だったそうで、クレジットを見ると、
この異様なジャケはメンバーのロジャーさんの手によるものだと
記載されていました。

紙ジャケの内側にも狂ってるとしか思えないイラストが
あるんですが、これもメンバーのグレンさんが描いたそうです。
お見せできないのが残念。




話を肝心の音楽に戻しましょう。

ここまでの流れからして推察できるかと思いますが、
収録されている曲はどれも「頭おかしい」の一言に尽きます。


前述したように、ヘヴィな音ではありません。
超絶技巧を駆使したテクニカルなことをやっているわけでもない。

このバンドがすごいのは、精神的にぐさっとくるような
“鬱のオーラ”を惜しげもなく撒き散らしている点にあります。



古今東西を問わず、キワモノ的なキャラ作りをしてるバンドって
たくさんいますよね。

しかしこいつらはホンモノです。
完全にヤバい世界にいっちゃってます。
きっとスタジオの片隅には化学物質が沢山おいてあったんでしょう。




まず1曲目の“Diana”のイントロからして、
闇の雰囲気が漂ってきますね。
どこか薄暗い森の奥で狂宴がおこなわれている様子が想像されます。


ハイライトは間違いなく3曲目の“Drip Drip”。


キャラ立ちすぎの男女ヴォーカルによるがなり声。

“流麗”という表現からは程遠い弦楽器隊。

嵐のような怒涛のフレーズがあったかと思うと、
次の瞬間唐突に訪れる静寂。


この曲は11分近くあるんですが、そんな長さを全く感じさせません。
聴くたびに音世界に引き込まれていくかのような、
すさまじく緊張感溢れる音楽。



このアルバムを初めて耳にしたとき、
久々に、音楽を聴いていて恐怖を覚えました。
EMPEROR以来です。


『FIRST UTTERANCE』は英国プログレの暗黒面を代表する名盤として
語り継がれているらしいですが、それも納得。


さすが、

“狂気のアコースティック集団”

との異名をとるバンドだけあります。


異端中の異端であり、その孤高度はもしかしたら
初期BLACK SABBATHを凌ぐかも。



万人向けの音楽では決してないし、
個人的にもこんなアルバムを毎日聴こうとは全く思いませんが、

カルト的なバンドが好きな方、
「とにかく今までに聴いたことのない類の音楽を聴いてみたい!」
って方はぜひお試しあれ。






COMUSは71年に本作を発表した後、ロジャー・ボビー・アンディの
3人を残してメンバー交代、HENRY COWやGONGのヘルプを得て
74年に2nd『TO KEEP FROM CRYING』を発表。

その後の消息はよくわかっていないとか。

すっげー気になる。


2ndはまだ未聴なので機会があればぜひ手に入れたいと思います。