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DREAM THEATERとは何か? 前編

Black Clouds & Silver LiningsBlack Clouds & Silver Linings
DREAM THEATER

曲名リスト
Disc 1
1. A Nightmare to Remember
2. A Rite of Passage
3. Wither
4. The Shattered Fortress
5. The Best of Times
6. The Count of Tuscany

Disc 2
1. Stargazer
2. Tenement Funster / Flick of the Wrist / Lily of the Valley
3. Odyssey
4. Take Your Fingers from My Hair
5. Lark's Tongues in Aspic Pt.2
6. To Tame a Land

Disc 3
1. A Nightmare to Remember (Instrumental)
2. A Rite of Passage (Instrumental)
3. Wither (Instrumental)
4. The Shattered Fortress (Instrumental)
5. The Best of Times (Instrumental)
6. The Count of Tuscany (Instrumental)

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「A to Z」番外編。


というわけで今回は、新譜が出たついでに
DREAM THEATERという当代随一の人気バンドの「本質」を
2回に渡って探ってみようと思います。


まず最初に断っておくと、おれはDREAM THEATERが好きです。
かなりマニア度が高い部類に入るんじゃないかと思う。

ですが多くのファン(中でもメタラー)がよく口にする
「プログレ = DREAM THEATER」 「DREAM THEATER = プログレ」
という意見にはまったく同意できない。


このバンドはプログレでもなんでもなく、

単なる「超絶技巧を誇るコミックバンド」であり、
もっと言うなら「世界最強のコピーバンド」であり、

突き詰めると
「プログレ好きのオタクなおっさんがやってるメタルバンド」
でしかない、とおれは認識しています。


そういう"確信犯的ネタバンド"としての傾向は、
2002年以降ますます顕著になってきている。

自分たちが影響を受けたバンドの要素を露骨に出すことによって…。




1st 『WHEN DREAMS AND DAY UNITE』
2nd 『IMAGES AND WORDS』
3rd 『AWAKE』

この時代は、スラッシュメタル由来のリフなど
ところどころにメタル/プログレの影響を感じさせつつも
割とオリジナリティがある音楽性を出していたように感じます。


これはおれの推測ですが、思うにキーボーディストの
ケヴィン・ムーアの存在が大きかったのではなかろうか。


『IMAGES AND WORDS』の"Wait for Sleep"、
ケヴィン脱退直後のDREAM THEATERの音楽性、また
その後のケヴィンのバンドOSIの曲構成からして

METALLICAで言うクリフ・バートン的な位置づけ、
つまりそれぞれのリフ・メロディを「曲」として完成させる
役割をこの人は担っていたのではないかと思いますね。


そのケヴィン脱退によって、曲としての「流れ」を意識して
作曲ができる人間がバンド内にいなくなってしまった。


そこで鍵を握る人物がマイク・ポートノイです。


「世界最高のドラマー」としての側面ばかりが注目されるけど、
最も特筆すべきはこの人が「超一流の音楽オタク」である
という点でしょう。


とにかく聴いている音楽の幅がハンパない。
(それはポートノイの「影響を受けたバンド」リストを見れば分かる)

さらにめちゃくちゃ頭の良い人でもあるので、
「いろんなバンドのおいしいリフ/メロディ」を組み合わせて
アレンジする能力が非常に高い。


いわば典型的な秀才タイプ。


しかしその能力も1995年当時はまだ開花しておらず、
結果ミニアルバム『A CHANGE OF SEASONS』はやや冗長になった。
(ちなみに本作のB面は丸々カヴァーである)


4th 『FALLING INTO INFINITY』はレコード会社の圧力を受け、
(単にメンバーの作曲能力が枯渇していたのも原因だったと思うが)
デズモンド・チャイルドなど外部ライターを起用。


冒頭の"New Millennium"がモロに80年代CRIMSONである点を除けば
「キャッチーな普通のハードロック曲」が並ぶ作品となりました。
(純粋にいい曲が多い、という理由で個人的には好きなアルバム)


そして1999年に5th 『SCENES FROM A MEMORY』を発表。

それまでの歴史と意地と本気をぶつけた会心の名盤であり、
本作によってDREAM THEATERは一度完結したとおれは思っています。



文句のつけようのない最高傑作を出してしまったことによって
完全に開き直ってしまったのか、

次の6th 『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』以降は
怒涛のコピー/カヴァー/オマージュ祭である。


『SIX DEGREES~』の曲で言うと

"The Glass Prison"はPANTERAの"Mouth for War"と
MEGADETH "Holy Wars... The Punishment Due"を、

"Disappear"はRADIOHEADの『OK COMPUTER』をパクっているし、

Disc 1の曲はところどころALICE IN CHAINSだったりTOOLだったり
NINE INCH NAILSだったりMETALLICAだったりする。


DISC 2の組曲に至っては

"Overture"と"Losing Time/Grand Finale"はKANSAS "The Wall"だし
"Solitary Shell"はピーガブの"Solsbury Hill"丸パクりだったりと

露骨にもほどがあるだろってぐらいのやりたい放題ぶり。



この時点でDREAM THEATERは

「他者の要素をオタク的センスで組み合わせ曲を作る集団」

に変貌した。



現在では恒例となっている「名盤完全再現イベント」も、
本作に伴うツアーで行われた
『MASTER OF PUPPETS』完全再現が始まりである。

もうこの時に彼ら(というかポートノイ)は
「こういう路線でやっていくんだ」という
割り切り方をしたと思うんですね。



そのカヴァー/オマージュ路線の最高到達点が
8th 『OCTAVARIUM』であり、

このアルバムは(好きか嫌いかという評価は別として)
まさに2002年以降のDREAM THEATERにしか作り得ない
最強の作品だとおれは思っている。


なぜ最強なのか? 一体何がすごいのか?

それは後編で語らせていただきましょう。



ちなみに7th 『TRAIN OF THOUGHT』と
9th 『SYSTEMATIC CHAOS』については
おれはあまり評価していないのであった。

このバンドはヘヴィな作品を作らせるとすさまじく出来が悪い。


METALLICA "Blackened"のパクりが有名な
『TRAIN OF THOUGHT』は後半2曲が良い出来ではあるが、
前半がすっげーつまんない。



原因はジョン・ペトルーシ。


ペトルーシは確かにめちゃめちゃ上手いし
この人の書く歌詞は個人的には好きなんですが、
ヘヴィなリフを作るセンスが皆無。


MEGADETHの借用リフにちょっと味付けをした程度で
あまり心を捉えるリフが書けてないですね。

それが前面に出てしまった7thと9thは曲としてつまらない。


まぁ9thは単に練りこみ不足というかやる気が無いというか
「とりあえず出しとけ」的な雰囲気をかなり感じますが。




で、やっと本題。
2009年の10th 『BLACK CLOUDS & SILVER LININGS』であります。

結果から言うと、このアルバムはとても良い。

カヴァー/オマージュ路線に入ってからのアルバムで言うと
『OCTAVARIUM』に次ぐ名作ではないでしょうか。


確かにヘヴィではあるんだが、『TRAIN OF THOUGHT』や
『SYSTEMATIC CHAOS』とは違って音に隙間があるところがポイント。


それはつまり(あえてこう言うが)パクり元が
メタルではなくプログレ/ハードロックであるという証拠。


1曲目"A Nightmare to Remember"は
曲構成やメロディがデヴィン・タウンゼンドっぽいし

5曲目"The Best of Times"は
RUSHの"The Spirit of Radio"と"2112"を、

6曲目"The Count of Tuscany"では同じくRUSHの
"Cygnus X-1" "La Villa Strangiato" "Subdivisions"
"The Analog Kid"あたりをパクっています。


やっとここに来てRUSHを出してきたか、という感じですが
興味深いのは4曲目"The Shattered Fortress"。


この曲はポートノイの
「アルコール依存症克服のための12ステップ」最終章を
飾る曲ですが、

リフとメロディのほぼすべてが過去の「ステップ」、すなわち

"The Glass Prison" (『SIX DEGREES~』)
"This Dying Soul" (『TRAIN OF THOUGHT)
"The Root of All Evil" (『OCTAVARIUM』)
"Repentance" (『SYSTEMATIC CHAOS』)

の4曲を組み合わせて作られている。


ネット上では散々な評判のこの曲ですが、
おれはこれこそ今のDREAM THEATERを象徴する曲だと思っています。

焼き直しとかメドレーとか
そんな単純なものじゃないですよこれは。


約7年に渡って「他者を模倣」することに重点を置いてきた
バンドが行き着いた先がこれ、すなわち「自己の模倣」。

自分達自身をも「他者化」することによって
DREAM THEATERはDREAM THEATERをメタ化することに成功した。



…考えすぎだと思うでしょ?

しかしポートノイならそのくらい計算しかねない。マジで。


後編で触れる『OCTAVARIUM』というアルバムのすごさを
実感するとイヤでもそう思わざるを得ないのです。


この10thで夢劇場はまた新たな幕を開けたと思う。



ちなみに初回限定のオマケである
カヴァー集はとっても平凡な出来。

DREAM THEATERというバンドは要素要素を取り出して
組み合わせる能力は極めて高いものの、

あまりに完璧でありすぎるがゆえに
1曲丸々コピーすると面白みがまったく出せない集団です。

完コピ以上でも以下でもない。
その弱点を露呈しちゃっていますね。


3曲目のインスト盤はただのカラオケ。
誰が得するんだこれ。


そんなわけでオマケの2枚はまぁ置いといて、

新譜は6th以降の集大成であると同時に
カヴァー/オマージュ路線の中での新機軸をも打ち出した
一聴に値するアルバムなのではないでしょうか。


おすすめです。



では今回はこのへんで。


後編(『OCTAVAIRUM』徹底解剖)をお楽しみに…


DREAM THEATERとは何か? 後編 | Home | Monsters of Rock 2009

コメント

まさに史上最強の「大学のコピバン」。
そう思うとマンネリとか言ってるのは筋違いですね。

自分自身のメタ化、つまり人力サンプリングという視点で見ると途端に90~00年代以降のシカゴ音響系ポストロックと符合する線が大して見えてこないですね。

2009/07/10 (Fri) 22:26 | おまんしん #- | URL | 編集

そうだね、サンプリングの先に行き着くものが両者では決定的に違うと思う。

DREAM THEATERもポストロックもある意味すごく学術肌ではあるんだけど、
前者は目的が完全にエンターテイメント志向だよね。
見られる(聴かれる)ことに対する意識が強い。

それはすごくメタル的、というかポップス的な発想であって、
ポストロックの人たちにはそういう意識があまりないんじゃないかと。

2009/07/12 (Sun) 16:44 | ゆーき #3wglnar6 | URL | 編集

ドリムシ厨がうざくて(まさに冒頭に出ているようなドリムシ=プログレ、みたいな輩)いつのまにかドリムシ自体に興味を失ってしまっていた自分でしたがこの日記で物凄く脅威が湧いてきました。その様なニュアンスを感じつつ、過去の作品をひっくり返して最初から聞いてみたいくらいです。


…でもしかし、「プログレ好きです!!」「へえ、どんなのが?」「ドリムシ最高です!!」「いいね、他には?」「え、プログレって他にもあるんですか?」「…」みたいなやりとりはもうしたくないというのが本音ですねw

2009/07/13 (Mon) 03:01 | じた #- | URL | 編集

同感です。

DREAM THEATERをメタルの入口、プログレの入口とするのは
すごく危険だと思うんだよね。そこで完結してしまうから。

要素要素があまりに分かりやすいというか、
DREAM THEATER聴いときゃ大体の代表的バンドを俯瞰できてしまう、
っていう錯覚に陥りやすい。

実は全然深いとこまで俯瞰できてなかったりするんだけど、
「お手軽」なものを求める聴衆にとっては非常に便利な存在になってしまった。

そこがまさにマイク・ポートノイの「功」でもあり「罪」でもあるわけです。

2009/07/13 (Mon) 22:55 | ゆーき #3wglnar6 | URL | 編集
qlfflks@outlook.com

DREAM THEATERとは何か? 前編 - Hooligan's Holiday
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2017/05/19 (Fri) 10:47 | phfcpglqqw #EBUSheBA | URL | 編集

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