5つの原子の季節

Springtime in NagasakiSpringtime in Nagasaki
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Navel of Light
2. Persistence of Memory

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Summer in NagasakiSummer in Nagasaki
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Climbing Mount Inasa
2. In the Cherry Blossom Hills
3. Mystery of Life and Death
4. Dreaming in a Kyoto Train
5. Ayumi's Butterflies
6. Presentiment
7. 11:02 AM

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Autumn in HiroshimaAutumn in Hiroshima
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Trauma
2. Reset
3. Awareness (1st Teaching)
4. Novice (2nd Teaching)
5. Strange Voices
6. Fathom (3rd Teaching)
7. Oracular World (4th Teaching)
8. Remembering Ayumi
9. Mellow Submersion (5th Teaching)
10. Answers (6th Teaching)
11. Touching Truth
12. Insight (7th Teaching)
13. Omniscience (8th Teaching)
14. Nothing and All

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Winter in HiroshimaWinter in Hiroshima
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Transition
2. Ayumi's Loom
3. Outlook
4. Togetherness
5. Echo of Light
6. Key Moment
7. Insiders
8. Nexuses
9. Glowing Vision

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Endless SeasonThe Endless Season
TANGERINE DREAM

曲名リスト
1. Flashback
2. Devotion
3. Virtue of Hope
4. Escape
5. The Seven Barriers
6. Logic of Intuition
7. Shunyata
8. Restless Mind
9. Wild Ocean of Blue Fate
10. Breaching Sky
11. Morphing

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TANGERINE DREAMの全作品をコンプリートするのは至難の業だ。


なにしろスタジオ盤だけで90枚以上、
コンピレーションやサウンドトラックやEP等も含めると
作品総数は250枚以上にも及ぶ。


フランク・ザッパやMERZBOWに匹敵するとんでもない量である。
まさにコレクター泣かせ。



そんな超精力的グループだが、やはり有名なのは70年台の作品群、
特にデビュー作の『ELECTRONIC MEDITATION』や
いわゆる「Virginイヤーズ」と呼ばれる時期における
『PHAEDRA』 『RUBYCON』 『RICOCHET』
『STRATOSFEAR』 『TANGRAM』あたりだろう。


これらの作品でテクノ/アンビエント/エレクトロニカの
始祖としての地位を確立したTANGERINE DREAMだが、

一方80年台以降のアルバムについては、
いかんせんリリース数が多すぎる&入手方法がよくわからない、

かつ音楽的にもオールドファンからは
「大味すぎる」 「混沌さが無くなった」 「単なるBGM」と
あまり評価が芳しくない。



だがしかし、初期への思い入れがそれほど強くないおれは言いたい。

80's、90's、00's、10'sのTANGERINE DREAMにも
聴き応えのあるアルバムはいっぱいある、と。



その中で今回取り上げるのが、
2007年から2010年にて5枚に渡る連作として発表された
"The Five Atomic Seasons"シリーズ。


『KYOTO』や『IZU』といったタイトルのアルバムを発表したり
自らのレーベル名を「Eastgate」と名付けるなど
TANGERINE DREAM(というかエドガー・フローゼ)は
日本に対する思い入れが強い。



同じく日本をテーマとしたこの連作。

"The Five Atomic Seasons"というシリーズ名、
そして舞台が長崎・広島であることから、
そのコンセプトは明らかだ。



これは実在の原爆被害者をモデルにした1945年の悲劇である。



ストレートなアルバムタイトルが表す通り、
「長崎・春」 「長崎・夏」 「広島・秋」 「広島・冬」と
四季を順番に描き、そして最後は「終わりなき季節」。



シーケンサーのリズムをバックにゆったりとシンセメロディが流れる
インストゥルメンタル、という点は5作品に共通している。

が、単に心象風景を映し出しただけのBGMには留まらない、
確固とした物語がここにある。



1作目の『SPRINGTIME IN NAGASAKI』からしていきなり濃厚だ。


基本的には悲劇が訪れる前の平和な春が強調され、
終盤はヴィヴァルディの「春」を交えつつ爽やかな曲調となるのだが、
一方で曲タイトルは「爆心地」と「記憶の残像」。

中盤の展開と相まって、不吉な予感をもはらんでいる。



2作目の『SUMMER IN NAGASAKI』。

"運命の日"を描いたアルバムなだけに、
緊張感・クオリティともに圧巻の名盤だ。


恋人アユミとの思い出、いつもと変わらぬ夏、
待ち受ける悲劇、そして1945年8月9日午前11時2分。


特に、"その時"をテーマとした
ラストの"11:02 AM"は凄まじい。

淡々と、かつ静かな緊張感をもって進行するシーケンス。


そして原爆投下の瞬間、
最後の時が止まるような演出には本当に鳥肌が立つ。



季節は秋へ。そして舞台は広島へ。



3作目『AUTUMN IN HIROSHIMA』はシリーズ中最も重い。


絶望と空虚にまみれた"Trauma"、レクイエムの"Awareness"、
悟りの"Omniscience"。


この世の地獄を生き延び、新たな人生への一歩が描かれる
このアルバムは、非常にヘヴィで、美しく、力強い。



『WINTER IN HIROSHIMA』 『THE ENDLESS SEASON』は
音楽的に少し趣が変わってくるが、
季節の総括・物語の総括的な役割を果たすこれまた良作であり、
特に『THE ENDLESS SEASON』でフィーチャーされた
ギターメロディは白眉。



日本をテーマとした外国音楽作品は数あれど、
「いかにも和」な安っぽいメロディを一切使うこと無く
日本を表現しきっているところに、
エドガー・フローゼのさすがの力量を感じる。



テーマがテーマなだけに5作通して聴いてほしいと思うが、
少なくとも最初の3枚「春」「夏」「秋」は
一聴するに値する名盤だと自信をもっておすすめしたい。


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