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再考・『CHINESE DEMOCRACY』

チャイニーズ・デモクラシー(初回限定)(SHM-CD)Chinese Democracy
GUNS N' ROSES

曲名リスト
1. Chinese Democracy
2. Shackler's Revenge
3. Better
4. Street of Dreams
5. If the World
6. There Was a Time
7. Catcher in the Rye
8. Scraped
9. Riad N' the Bedouins
10. Sorry
11. I.R.S.
12. Madagascar
13. This I Love
14. Prostitute

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果たしてアクセル・ローズにとって『CHINESE DEMOCRACY』とは
どのような位置付けにある作品なのだろうか。


純粋なオリジナルスタジオアルバムとしては『USE YOUR ILLUSION』以来
17年振りに、文字通り「待望の」新作として2008年に発表された本作。

6年が経った今、このアルバムに対する評価については
「悪くはないけど、名盤とは言いがたい」という意見が
大宗を占めるのではないかと思う。


スラッシュのあのギターが無い、長尺の曲が多すぎる、など
微妙な評価に終わった原因はいろいろあると思うが、
曲やサウンドそのものに焦点を当てて論じるのは
このバンドの場合あまり意味が無い。

冷静に考えてみれば『APPETITE FOR DESTRUCTION』から
『USE YOUR ILLUSION』への音楽性の変化だってかなりのものだし、
そこから17年、さらにはアクセル・ローズ自身の趣味嗜好の変遷も
都度報じられていたのだからサウンドが変わるのはむしろ想定内。


曲に関しても、正直つまらないものがほとんどだと思うが、
それを言うなら『USE YOUR ILLUSION』の時からすでにそうだったはず。

1991年〜92年当時の音楽雑誌等を見ると『USE〜』に対して
「良いアルバムというより良い曲がいくつか入ったアルバム」との評がされている。

その意味では今回も同じだ。ただし「いくつか」の割合が少ない、というだけで。

そもそも本作における混沌に満ちた制作過程を考えれば
「濃密で完成度が高い楽曲が揃ったアルバム」などできるわけがないのだ。



そういったことよりも、『CHINESE DEMOCRACY』が微妙に終わった一番の原因は
「17年待ったことに値するだけのインパクトが無い」ことにあると思う。

たとえ製作過程がグダグダだろうが、
寄せ集めメンツだろうが、曲が微妙だろうが、それらすべてをねじ伏せる
あの圧倒的な「声」をアクセル・ローズが聴かせてくれさえいれば、
もっと高い評価はされていただろう。というかみんなそれを期待していたはず。


だがここで聴けるのは、かつての切迫感や牙が失われてしまった
弱々しいアクセル・ローズの声である。

完全に面影が無いわけではないし、"Better"あたりで聴ける中音域は素晴らしい。
しかし高音は…。


年月を考えれば致し方ないことだし、
アルバム発売までの各種ライヴ映像を観て予想できたことではあった。

だがそれでもこの落差には残念な感情を持たざるをえないし、
そのがっかり感がインパクトの無さにつながっていると思う。



ではこのアルバムを出す意義は一体どこにあったのか。


アクセル・ローズという人は自分のアルバムや曲について
事細かに解説をする人ではなく(そもそもインタビュー自体が少ないし)、

『CHINESE DEMOCRACY』についても個別の曲についての背景が
断片的な情報として出回っているだけなので、
「コンセプトが重視」され「各曲が作りこまれ」たアルバムとされている割には
全体像が非常につかみにくい。

しかしそれを探るのもおそらくはあまり意味が無い。


2008年以降のアクセル、GUNS N' ROSESというバンドを観察していると、
このアルバムは単に「きっかけ」としての手段だったんだなあと強く感じる。


ライヴを頻繁にこなし、インタビューにもちょいちょい応じるようになり、
声も(かつての凄みは無いにしても)比較的好調を保っており、
イジー・ストラドリンのみならずダフ・マッケイガンまでも
ゲストに呼び寄せMCでジョークをとばしながら仲良くツアーをしている
最近のアクセルを見ると、『CHINESE DEMOCRACY』を出すこと自体が
この人にとってのセラピーだったんだな、と。


それはそれでかまわない。良い精神状態で活動できているのは何よりだ。
だがファンとしての本音を言うなら、早く次の作品を出してくれ。


はっきり言って、「濃密で完成度が高い楽曲が揃ったアルバム」を作ることは
もう無理だろう。

本人はインタビューで「次作は『CHINESE DEMOCRACY』の続編になる」
「『CHINESE〜』のリミックス盤を出す計画もある」などと発言しているが、
どういう方向性になろうと今のメンバーの中に(アクセル含め)
優秀なソングライターがいるとは思えないし、
たとえスラッシュ込みでのオリジナルメンバー再結成が実現したとしても、
おそらく期待以上のものを創作してくれることは無いと思う。


『USE YOUR ILLUSION』に戻ることは可能だとしても、
『APPETITE FOR DESTRUCTION』に戻るのは不可能だ。全員が。


そしてその『USE〜』からすでに「良いアルバム」ではなく
「良い曲が入ったアルバム」しか作れない人/バンドである。

だったらその「良い曲」に出会う確率を上げる、つまり数撃ちゃ当たる方式で
どんどん新曲・新譜を発表していくことこそがアクセル・ローズ、
GUNS N' ROSESにとってベストなソリューションとなるはずなのだ。


15曲中1曲しか「良い曲」がなくてもいい。
とにかくアウトプットをしてほしい。

そして願わくば、1987年や1991年と同様のクオリティは無理としても、
せめて1999年の"Oh My God"レベルの激情・狂気・切迫感・ヤバさに満ちた
曲を聴かせてほしい。


がんばれ、アクセル・ローズ。


2014年上半期 Best 40 | Home | 情念の精神異常者

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