Megadeth - Dystopia

ディストピア (デジタルミュージックキャンペーン対象商品: 400円クーポン)Dystopia
Megadeth

曲名リスト
1. The Threat Is Real
2. Dystopia
3. Fatal Illusion
4. Death from Within
5. Bullet to the Brain
6. Post American World
7. Poisonous Shadows
8. Conquer or Die!
9. Lying in State
10. The Emperor
11. Foreign Policy

xx. Me Hate You (Japanese Edition Bonus Track)
xx. Melt the Ice Away (Spotify Bonus Track)
xx. Look Who's Talking (iTunes & Best Buy Bonus Track)
xx. Last Dying Wish (iTunes & Best Buy Bonus Track)

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「四天王」には二種類あって、
ゴルベーザ四天王のように明らかに格上の中ボス的存在が一人いるパターンと
全員の地位が横一線にあるモノマネ四天王的なパターンとに分かれる。


スラッシュ四天王の場合は、セールスだけを見るなら
METALLICAぶっちぎりなので前者に近いんだけど
まあ本来の立ち位置からすると四者四様だし後者なんでしょうね。

誰が清水アキラで誰がクリカンなのかは結構難しい問題で、
ものまね王座決定戦をまともに観たことない私が言うのもアレですけど
SLAYERはコロッケ的存在なんじゃないかな。なんとなく。
リスペクトのされっぷりが。ANTHRAXはなんだろう。ビジーフォーかなあ。


それはさておき、
四天王というものに対する興奮が最高潮に達するのは
どういう分野であっても「四天王全員が一同に会したとき」なわけです。
クライマックス的な。

四天王最弱と思われていたやつがなぜかそういう時だけ強かったり
四天王同士で共闘したりなんかしてね。胸が熱くなるよね。


そして悲しいかな、その瞬間が四天王のピークなんですね。


盛り上がりのピークを迎えた後に演者がとるべき行動は、
「舞台から退場する」か「キャラ/路線を変えて生き続ける」しかないんですけど、
どちらもできずに「ただその場にいるだけ」となってしまったら
その後はもうグダグダ。ほんとかわいそうなぐらいグダグダ。

退場するべきタイミングで退場できないというのは実に不幸だ。



さてスラッシュ四天王です。

2010年から2011年にかけ4バンドが結託して行われた
フェス出演/ツアー「The Big Four」は、
今振り返ってみればあまりにも功罪両面が大きかったなあと。


互いの恩讐を乗り越えて、という背景がファンの感動を呼んだのは確かだし、
レジェンド扱いされてはいたものの正直手放しで絶賛できるような
現在進行形活動をしていたわけではない各バンドにとって
再び注目を浴びるチャンスになっただろうし
経済効果もそれなりにあったでしょう。

その後個々の活動に戻った各バンドが、「The Big Four」を糧に
オールドファン(特に初期のファン)をも屈伏させるような
文句無しの新譜・新曲を発表してくれれば文句は無かった。
それこそ理想的な「復活」ですよね。


でも実際は……。


まあSLAYERの場合は「Jeff Hannemanの死」という新たなドラマと
Gary Holtという有能な「五人目の四天王」の加入があったので
ある意味新章の始まりという感じだったし
実際新作の鬼気迫りっぷりにも説得力があった。


一方で煮え切らない活動が続く三巨頭。
「キャラ/路線を変えて生き続ける」ことができるならまだしも、
元々そういう器用さは持ってない人たちですからね。

で、困ったことに、どのバンドもライヴで過去の名曲をやる姿は
いまだにめちゃくちゃカッコいいっつーのがまたタチ悪い。

嫌な表現をすれば完全に「懐メロやってくれりゃそれでいいよ」な
人たちになってしまった。
(これはTESTAMENTやDESTRUCTIONあたりのバンドにも言える)


スラッシュ四天王はあの「The Big Four」をもって解散すべきだった。
ここ数年は本当にそう思いますね。後付け論だけどね。


そんな中でのMEGADETH新譜。

一応「Marty FriedmanとNick Menzaが復帰?」なプチドラマはあったし
Kiko LoureiroとChris Adlerという当代きっての巧者が加入する話題性もあった。

実際問題、アルバムの出来は良いと思う。

世紀のクソ駄盤だった前作「SUPER COLLIDER」を凌駕しているのはもちろん
ここ数作の中では一番良いかもしれない。

特にChris Adlerのドラムは流石で、
誰もが不満を感じていた前任者Shawn Droverと比べると劇的に改善した。
ドラマーが代わるだけでこんなに良くなるのか、と驚愕するほど。

MEGADETH伝統の「技巧 vs 根性」なギターバトルもふんだんにあるし
そのKikoが作曲クレジットに名を連ねるPoisonous Shadowは
ちょっと変わった色合いもある。


でもそんな一級品のアルバムなのに、
どういうわけか、曲やリフがびっくりするぐらい頭に残らない。

Peace SellsやHoly Warsを押しのけてでもいいから
これは絶対ライヴでやってほしい!って曲があるかと言われると、
特にないんですよね…。

高い声がますます出なくなり、エフェクトかけてごまかして
低い声で唸ってるだけのDave MustaineのVoについても
(これライヴだとさらに歌えないだろうな…)と思っちゃったり。

正直、ストリーミングでさらっと聴いて
「おーかっちょいいー」と思ってそれで終わり、で十分な気もする。



もっかい言うけど出来はすごく良いし
「RUST IN PEACE」〜「CRYPTIC WRITINGS」期や
「THE SYSTEM HAS FAILED」のファンは絶賛すると思う。

よっぽど内容に自信があるのか、饒舌になったMustaineが
毎日毎日ツイッターで連投しまくる気持ちもまあ分かる。

B!的に表現するなら、
リスナーが何を聴きたいかを考えて作ったアルバムだと思うんだ。


でもムステインさん、あんたそんなにあざとい人でしたっけ?
安牌な現役感で満足してしまう人でしたっけ?


先鋭さと孤高性を失った四天王一角の着地点がこれだとすると、
じゃあこの先は? この路線の焼き直しを続けていく未来しかないのでは?

MEGADETHの継続は果たして本当に正解だったのか。
初期をこよなく愛する身としてはとても複雑な心境でございます。


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