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Dream Theater - The Astonishing

ジ・アストニッシングThe Astonishing
Dream Theater

ACT I
1. Descent of the Nomacs
2. Dystopian Overture
3. The Gift of Music
4. The Answer
5. A Better Life
6. Lord Nafaryus
7. A Savior in the Square
8. When Your Time Has Come
9. Act of Faythe
10. Three Days
11. The Hovering Sojourn
12. Brother, Can You Hear Me?
13. A Life Left Behind
14. Ravenskill
15. Chosen
16. A Tempting Offer
17. Digital Discord
18. The X Aspect
19. A New Beginning
20. The Road to Revolution

ACT II
1. 2285 Entr'acte
2. Moment of Betrayal
3. Heaven's Cove
4. Begin Again
5. The Path That Divides
6. Machine Chatter
7. The Walking Shadow
8. My Last Farewell
9. Losing Faythe
10. Whispers on the Wind
11. Hymn of a Thousand Voices
12. Our New World
13. Power Down
14. Astonishing

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いやーがんばった。がんばったよペトルーシ。

あ、ペトルー「チ」って発音しないと全国数千万のDTファンに怒られますか?
じゃあ間を取ってJPにしますね。

最初に聴いた時に
(おいおいまるでKISSの「MUSIC FROM THE ELDER」やんけ)と思ったのも
この場を借りて謝罪したいと思う。
今回JPさんに謝る機会を木村くんが作ってくれました。


ともかくこのアルバムはJPがついにMike Portnoyの幻影を
完全に振り払うことに成功した、記念碑的な作品だ。
名盤である。JPにとっては。

そう、「THE WALL」がRoger Watersにとってのトラウマ解消作業だったのと同様に、
「THE ASTONISHING」の制作はJPにとっての(トラウマの内容は異なるけど)
トラウマ解消作業だったのである! どーん!



まーしかしこのボリュームはすごい。
よく一年半でここまでのファンタジー物語を作り上げたもんだよ。

ストーリーがイマイチよくわからないし特に深みもないとか、
設定コンセプトがありきたりすぎるとか、
一昔前の洋ゲーみたいなキャラクターデザインがクソダサいとか、
そういうのはこの際置いとこう。
些細な問題である。
素直にJPの苦労の産物を讃えようではないか!


そりゃこれだけストーリーに注力すれば
作曲の主導権をJordan Rudessにもっていかれるのもしょうがない。

John Myungが完全に空気になってるのもしょうがない。
しょうがないよね。SHOGANAI。
Myungは犠牲となったのだ…。



マジメな話、本作の出来はとても良い。

制作過程は上述の通り極めて分業に近いかたちでなされているが、
それによりJPのヘヴィなリフ介入が最小限になったことで
結果としてサウンドに統一感が出ていると思う。

試行錯誤感がいまだ拭えなかった前作「DREAM THEATER」と比べても
アルバム通して聴ける度は遥かに高い。
2枚組にもかかわらずそう思えるのはそれだけ完成度が高い証拠だよね。


Mike Manginiのドラムサウンドも、溶けこみ具合が格段に向上した。
今回ドラムのミキシングをかなり入念にやっている気がする。

前作まで残っていた違和感がなくなったし(特にスネアの鳴り)、
さすがにこのアルバムに対して「Portnoyが叩けばもっと良くなる」と
言う人はいないだろう。Portnoy本人を除いて。


SFチックなストーリーについてはStar Warsとかトールキンとか
Game of Thronesあたりの影響が明らかにされているけど
そのあたりはJPが単にそういうのが好きってだけで
それ以上でもそれ以下でもないと思うので個人的にはあまり興味はない。

「OCTAVARIUM」でやったような英国的感性全開の
いろいろな隠し要素も今回は無いし、そもそもそのへん凝るのはPortnoyの領分だ。



コンセプトアルバムであることに関しては、JP本人が発言しているように
"まずは曲の原型ありきで始まった"「SCENES FROM A MEMORY」とは異なり
"今回はまずJPがストーリーを全部書き上げ、その後作曲に入った"という
アプローチの違いからも分かるように、

音楽的にはいわゆるコンセプトアルバムというよりも
Jesus Christ SuperstarとかPINK FLOYD「THE WALL」のような
ロックオペラに近い。


というかこれ、完全に「THE WALL」ですな。

RUSHの「2112」を引き合いに出している人もいるけど、
「THE ASTONISHING」のストラクチャーは思いっきり「THE WALL」だよ。

「THE WALL」と聴き比べてみればわかるけど、
びっくりするぐらい似てる部分が多くてウケる。


アルバム発売直後にJPがファンからの質問に答えまくる
「John Petrucci本人だけど何か質問ある?」企画があったが、実際その中で

The Wall is one of my all time favorites.

と、本人が強調していた。


なおJPはそのQA企画でこんな発言もしている。

the NOMAC story will be explored further in future novelization.

マジかよ。誰が読むんだそんなの。

…需要あるのかどうかはともかく、マルチメディア展開も見据えているという点も
「THE WALL」を意識している。ような気がする。



作曲面についてはまさにJordan Rudessの独壇場という感じで、
Mike Portnoy脱退後のドラマーオーディション映像で明らかになった
「DREAM THEATER裏番長」っぷりがこれでもかと発揮されている。

すさまじく過剰なオーケストレーションも、
「あの超超超大物David Campbellと一緒に仕事ができるなんて!」という
Rudessの喜びがモロに出ているようでほほえましい。



そんな感じなので、繰り返すがヘヴィなリフには乏しいし
メタルなDREAM THEATERが好きな人にとっては物足りないと思う。

インタープレイの応酬も少ない上に劇的展開を見せる長尺曲もないので
そのあたりに不満を感じる人も多いだろうし
本人たちも認めるようにリスキーなアルバムではある。


DREAM THEATERのアルバムっつーより

製作総指揮:Jordan Rudess
出演:James LaBrie
原作:John Petrucci

やんけ、と思う人がいるのも分かる。


でも、ま、たまにはいいじゃないですかこういうのも。


おれはJPに関しては「FALLING INTO INFINITY」以降開眼した、
David Gilmour/Steve Morse的エモーショナルギタープレイについては
本当に心から大好きだけど、
メタリックなリフを作るセンスはそれほど高くないと常々思っている。
(借りものリフとパターン化が多いから)

今回Jordan Rudessに身を委ねたことで
そういった「退屈なヘヴィネスを無闇にぶち込む」のが極小化されたのは
とても良いことだと思う。


実際問題、少なくともアメリカでは相当売れるんじゃないかな。
元々PINK FLOYDのMoneyとか「THE WALL」とか
TRANS-SIBERIAN ORCHESTRAあたりの「大味なプログレ」が大好きな人種だし。
やつら小難しいプログレよりもこういうのが好きだからな。


ライヴがどんだけ豪勢になるのかも興味ありますね。

発売前から「ツアーは新譜だけでセットリストを組む」と公言しているので
そうなるだろうけど、視覚要素にどこまでお金かけてくるかが楽しみ。


というわけであらゆる意味で
DREAM THEATER版(というよりJohn Petrucci版)「THE WALL」な本作、
お見事でございます。「THE FINAL CUT」にならなくて本当に良かった。



さて、一方で今回のアルバムで存在感が極めて希薄なJohn Myungは
本作に対して果たしてどう思っているのか…。

誰かインタビューはよ。







Mantra Vega - The Illusion's Reckoning | Home | デイヴィッド・ロッジ「小説の技巧」

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