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鍵盤馬鹿一代

Emerson Lake & PowellEmerson, Lake & Powell
Emerson, Lake & Powell

曲名リスト
1. The Score
2. Learning to Fly
3. The Miracle
4. Touch and Go
5. Love Blind
6. Step Aside
7. Lay Down Your Guns
8. Mars, The Bringer of War
9. The Loco-Motion
10. Vacant Possession

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思うに、キース・エマーソンという人は
あまりにも天才すぎたのではないでしょうか。
その絶頂期において。


EMERSON, LAKE & PALMERの音楽は、
エマーソンの才能がすべてだとおれは思います。

もちろんグレッグ・レイク、カール・パーマーという
強力な個性を持ったメンバーとのぶつかり合いが
大きな魅力であるのは認めますが、


もし仮にレイクではなくジョン・ウェットンが
最初からバンドにいたとしても、

おそらく『TARKUS』などの名盤は生まれていたでしょう。


まぁそれはちょっと言い過ぎかもしれませんが
それほどに全盛期のキース・エマーソンというのはすごい。



“Tarkus”や“Karn Evil 9”などの代表曲の中にあるのは
エマーソンのすさまじいまでの表現欲求です。

曲としての綿密な構成は当然あるんでしょうけども、
そんなレベルを超越した爆発力みたいなものを感じますね。

極端に言えばやりたい放題やっているという感じ。
もう弾きたくて弾きたくてしょうがない、みたいな。


エマーソンのすごいところというのは
こうした、限りなくロックンロールに近い精神性を
持ち合わせているところなんじゃないかなと。

それを表現する際に
卓越した技術力、クラシックな音楽に対する優れた解釈力が加わり、
完璧なものに仕上げる。


もはや直感のなせる業であり、
まさに「天才」以外の何者でもない。



こうした衝動感覚というのはたとえば
KING CRIMSONの“21st Century Schizoid Man”と同質のものであり

現在で言うならTHE MARS VOLTAあたりの音楽と
共通するものなのではないかと思うのです。


ゆえに『TARKUS』や『BRAIN SALAD SURGERY』といったアルバムは
プログレの名盤、というよりロックとしての名盤であって、

特にプログレが好きじゃない人も
そのすごさをぜひ体験してもらいたいと思いますね。



補足するならそうした表現欲求を持った、
悪く言えばエゴを持ったエマーソンに負けないぐらい

残りの2人も自意識が強かったという点もあるでしょう。


相当仲悪かったらしいですからね、このバンド。

とにかく全体を仕切る人間がいない。
三人ともおれが、おれが、みたいな。

そこがめちゃくちゃカッコいいんですけど。



で、そういうぶつかり合いがピークに達したのが
『BRAIN SALAD SURGERY』だと思います。

もうここでエマーソンは
すべてを出し尽くしてしまったんじゃないでしょうか。

あまりにもすごい天才というのは
その山を越えてしまうと辛いものがありますね。



この後に『WORKS VOLUME Ⅰ』という、
レコード2枚組にして各面がメンバーのソロプロジェクト、
最終面にEL&Pとしての曲を収めるという構成の
アルバムを出してしまったことからも

「バンドとしてやることがもう無い」感が漂っているし

また実際に時代の流れの中にあっても、他バンド同様
プログレ衰退の波に飲み込まれて解散してしまう。




はい、それでようやく今日の本題であります。


その後80年代に入って
ポップ・バンド化したGENESISやYESの成功、
またスーパー・バンドASIAの全米1位なんかもあって
プログレ再評価の時代へと突入、

もちろんエマーソンとレイクもEL&P再結成を画策。


しかしASIAが軌道に乗っているためカール・パーマーが参加を拒否、
2人は同じイニシャル「P」のコージー・パウエルに
白羽の矢を立てるわけです。


そしてEMERSON, LAKE & POWELLとして活動開始。



ここで聴かれる音像は往年のEL&Pとはまったく別物です。


ASIAと比較されてもおかしくない、80年代プログレな音ですね。
エマーソンの使用楽器の変化が
バンドの雰囲気を大きく変えています。

全体的にもグレッグ・レイクの歌唱を中心にした
割とポップでキャッチーな印象。


まったくの別バンドと言ってもいいぐらいだし、
よってかつてのEL&Pを求める人たちにとっては
とんでもない駄作でしょう。



でもおれは、これはこれで悪くないと思う。

ていうか、この時代に生きる上でのセオリーを踏まえながらも
かなり賢くやっているのではないか、と。


昔のような暴走感覚はゼロだし
そこから生まれる緊張感というものはありません。

しかし、それとは別質ではあるけれども
「緊張感」が確実に音の中に存在していることは、
“The Score”、“The Miracle”を聴けば分かる。



正直ASIAよりも硬派ですよ。

ホルストの「火星」を編曲した
“Mars, The Bringer of War”も素晴らしい出来だし、

キャロル・キングのカヴァー“The Loco-Motion”もカッコいい。

天才的解釈センスという面では
エマーソンがいまだに健在であることが感じられます。



こういう勇壮なムードというのは言ってしまえば
ハード・ロック的な感覚なんですが、

もともとそういった側面も持ち合わせている人たちだし、
何よりこういう音楽をやるんであれば
コージー・パウエルを選んだのは正解。


というより、カール・パーマーが叩いていたら
これほど引き締まった作品にはならなかったと思います。



コージーのドラムはオカズが個性的なのもあるんですが、
第一にこの人はとにかく音がデカいんですよね。

特にスネアの音がハンパない。アタックが強烈に重くて硬い。

コージーが叩けばボトムが安定するし、
ハードでエネルギッシュなビートに変わります。

どのバンドに入ってもそうです。
「あ、コージーだな」ってすぐ分かる。

すごい人ですね。



しかしながら、
ある意味でパーマー以上に個性が強い人だから…かどうかは
分かりませんが結局この1枚でコージーは脱退。

そして例のごとく仲の悪いエマーソンとレイクが対立、
プロジェクトはあっという間に解散。

商業的にも失敗した作品になってしまいました。

ちょっともったいない。



ということで、オリジナルEL&Pとは
別バンドとして聴いた場合、なかなか良いですよということで
EMERSON, LAKE & POWELLを今回取り上げてみました。


しかしやはり…
これを聴いた後『BRAIN SALAD SURGERY』を聴くと
後者の密度・テンションの高さに唖然としてしまいますな。


オリジナルEL&Pに関しては90年代に入って
再結成とかあるんですが、

やっぱり70年代で完結したバンドでしょうね。
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