永遠の逃避行

BraveBrave
Marillion

曲名リスト
1. Bridge
2. Living With the Big Lie
3. Runaway
4. Goodbye to All That
5. Hard as Love
6. The Hollow Man
7. Alone Again in the Lap of Luxury
8. Paper Lies
9. Brave
10. The Great Escape
11. Made Again

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「自分の棺桶に入れるアルバムを10枚選べ」

と言われたら相当悩むけど、このアルバムは確実に入るでしょう。


間違いなくMARILLIONの最高傑作であり、不朽の超名盤。



さて、一般的には「MARILLIONと言えばフィッシュ」ですが、

フィッシュ在籍時とそれ以降とでは音楽性がかなり違うので
それぞれ別物として捉えたほうがいいんじゃないかとおれは思う。


70年代末期のプログレ衰退→パンク隆盛→ハードロック復興
という英国ロックシーンの流れの中で
80年代初期にデビューしたMARILLIONは、

プログレにハードなギターを加味させた音像でもって
「ネオ・プログレ」 「ポンプ・ロック」と呼ばれる
新世代プログレブームの旗頭となりました。


よく言われるのが
“GENESISとハードロックの融合”という表現ですね。


まあフィッシュ期について詳しくは省略しますが
その時代のMARILLIONなら
85年の3rd『MISPLACED CHILDFOOD』を聴きましょう。

これが一番良いです。
通常、バンドの代表作とされているのもその3rd。


が、87年の4th『CLUTCHING AT STRAWS』を最後に
バンドの顔的存在であるヴォーカルのフィッシュが脱退。


後任として加入したのがスティーヴ・ホガース。


ホガースMARILLIONとして再出発、
『SEASONS END』 『HOLIDAYS IN EDEN』の2枚を経て
94年に発表されたのがこの7th『BRAVE』であります。



はっきり言って、わかりやすいアルバムではありません。

普段ハードロックとかメタル聴いてる人、
フィッシュ時代からMARILLIONに入った人なんかは
最初はなかなかハマれないと思う。

おれも初めて聴いた時は良さがよくわかりませんでした。


でもせめて10回は聴いて欲しい。

いったんアルバムの素晴らしさに気づくと
それ以後、聴くたびに感動があるね。



スティーヴ・ホガースという人は
前任者とはまったくタイプの異なるヴォーカリストで、

フィッシュが良くも悪くも非常にアクの強い歌い手だったのに対し
ホガースはとても繊細な声をしています。

裏声をたびたび使ったりもする。


『OK COMPUTER』しか聴いたことないので適当な感想だけど、
RADIOHEADのトム・ヨークに通じる歌い方、という意見は
ああなるほどなと思う。

実際別のアルバムで“Fake Plastic Trees”のカヴァーが聴ける。


フィッシュのインパクトのあるヴォーカルに比べると
最初は少し頼りなさげな印象をホガースに抱いてしまいますが、
決してそんなことはなく、声の芯がしっかりとある人です。

歌唱力もかなり高いし、少なくともフィッシュよりは上手い。



そしてサウンドだけど、これまた
フィッシュ期のハードロックに通じる音とはうってかわって
よりしっとりと落ち着きのある感じ。

そのサウンドの中で切々と歌い上げるホガース。


「静」のドラマティシズム、
という表現が似合うのではないでしょうか。

ゆえになかなかピンとこない音楽ではあるけど
一度ハマったらやばい。


なにかとGENESISを引き合いに出されて語られるMARILLIONですが、
ホガース加入以降はむしろPINK FLOYD的な音なのではと感じます。


『BRAVE』はコンセプトアルバムということもあって
ホガース期のほかのアルバムと比べても
割とスペイシーで幽玄な曲が多いんですが、

その分、時おり激情に駆られて歌うホガースや
スティーヴ・ロザリーのギターが非常に感動的。


ロザリーの泣きメロは本当に素晴らしい。

特に“Runaway” “The Great Escape”でのソロは号泣もの。


なぜにこの人はこんなに知名度が低いのか。
その辺のメタルギタリストのメロよりも
断然質が高いと思うんですが。


音色も最高。

デイヴ・ギルモア、ニール・ショーン、スラッシュ、
そしてスティーヴ・ロザリーの4人が

おれの中で「ソロ時のギタートーン四天王」ですね。



12分の中でドラマティックに展開する“Goodbye to All That”、
比較的ハードな“Alone Again in the Lap of Luxury”
あたりがハイライトですが

圧巻なのはラスト2曲。


ホガースの鬼気迫る歌唱とロザリーの素晴らしすぎるギターソロが
クライマックスを演出する“The Great Escape”、

ダークな葛藤に満ちた作品の中で
最後に一筋の光を与えてくれるような“Made Again”。

この流れがたまらなく美しい。完璧すぎ。



音楽っていいな、と本気で思えるアルバムです。

シンフォニック云々じゃなくあらゆる音楽好きにおすすめ。



あまりに完成度が高すぎる『BRAVE』をつくった後のMARILLIONは
もう少しポップになり(フィッシュ期のポップ性とは別)、

ここまで濃密なアルバムを作ってはいませんが
しかしどれも良いアルバムなので聴いていただきたい。


特に最新作の『MARBLES』(2004年)は
『BRAVE』を想起させるコンセプトアルバムで傑作だと思います。

徹底的に「陰」な『BRAVE』に比べると若干「陽」ですが。



あと『MADE AGAIN』という2枚組ライヴ盤のDisc 2で
『BRAVE』の完全再現をやっています。

もちろん最高だけど、いかんせん完璧すぎるので
あんまり面白みはないかも。

Disc 1でホガースが歌う
“Kayleigh” “Lavender”が聴けるのでそれがポイントかな。

“Easter” “Beautiful” “Cover My Eyes”といった
ホガース期の名曲も収録。



というかこのバンド、自費出版なのかどうかしらないけど
シングルやらライヴ盤やら新装盤やらがやたら多いんだよね。

  オフィシャルサイトのディスコグラフィー
→ http://www.marillion.com/music/index.htm

  分かりやすいディスコグラフィーはWikipediaで
→ http://en.wikipedia.org/wiki/Marillion

なかなか店にも置いてないのでフォローしきれません。



とりあえずは『BRAVE』を。

これはもうなんでもいいからとにかく聴いてくれ。


心の底から感動したければ、
夜中に部屋を真っ暗にしてヘッドフォン大音量で聴くべし。


ブックレットはこの言葉で締めくくられています。

Play it Loud with the lights off.

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コメント

普段 2 分半の曲を主に聴く俺も
ちゃんと他のものも聴こうと思いました。

一年後くらいにぜひ色々と
酒を片手に語らいたいな、と。

2006/12/28 (Thu) 02:05 | とむ #4isgv9CI | URL | 編集

うん、単純明快なリフやメロディも最高だけど
こういう世界観に没入できる音楽もまた良し。です。

おれもまだまだ幅が狭いので
もっといろんな音楽聴いていきたい。

ぜひ語らいましょうぞ。
今度お泊まりに行かせていただきます

2006/12/29 (Fri) 17:14 | ゆーき #3wglnar6 | URL | 編集

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